Top Photo：Yamamoto Ayaka, Untitled #168, Hokkaido, Japan from the series We are Made of Grass, Soil, Trees, and Flowers, 2015. Chromogenic print
*All images are Collection of Tokyo Photographic Art Museum

Continuity and Change

「不易流行」の精神で紡ぐオムニバス展示

Art&Culture
02.Jun.2025

東京都写真美術館にて、「総合開館30周年記念 TOPコレクション　不易流行」展が6月22日（日）まで開催中。

Ueda Shoji, from the series Landscape Vision 1970-80. Gelatin silver print

Yamamoto Ayaka, Untitled #168, Hokkaido, Japan from the series We are Made of Grass, Soil, Trees, and Flowers, 2015. Chromogenic print

1995年に総合開館し、世界的にも希少な写真・映像の黎明期を伝えるものから現代作家による最新作まで約38,000点を体系的に収蔵する東京都写真美術館。

「写真・映像とは何か」という根本的な問いを追求しながら、その多様な性格や表現を幅広く紹介してきた。

Felice Beato, Japanese Woman with an umbrella, c.1863-1877

Otsuka Chino, 1982 and 2005, Paris, France from the series Imagine Finding Me, 2005

Lewis W. Hine, Climbing into America, Ellis Island, 1908

本展は、2期にわたって開催される「総合開館30周年記念 TOPコレクション」展の第1期目となる、5名の学芸員が共同企画するオムニバス形式の展覧会。
タイトルの「不易流行」は、俳人松尾芭蕉が俳句の心構えについて述べた言葉「不易を知らざれば基立ち難く、流行知らざれば風新たにならず（変わらないものを知らなくては基本が成立せず、流行を知らなくては新しい風は起こらない）」に由来する。

5つのセクションのテーマは担当するそれぞれの学芸員独自の視点で設定され、写真が捉える歴史に着目したものから現代作家の表現まで、約220点の作品群が「不易流行」という言葉で繋がっていく。

Akiyama Ryoji, T.V. Frame Left in a Reclamation Area, Tokyo from the series Scrap Land, 1969

Nakano Masataka, Udagawa-cho, Shibuya-ku, Jan. 1991 from the series TOKYO NOBODY, 1991

Araki Nobuyoshi, from the series Winter Journey, 1990

Tamura Akihide, Rainbow Bridge from the series Wangan, 1992

第１室「写された女性たち初期写真を中心に」では、20世紀初頭にかけて写真に写された女性たちを取り上げ、わずかにでも自分が望む姿で写ろうとする「抗い」に着目。

第２室では、大塚千野、片山真理、塩崎由美子、石内都の4作家の作品を通し、「寄り添う」ことの多様な在り方について考える。

「移動の時代」と題された第３室では、陸、空、そして宇宙へと人類の活動範囲が劇的に広がっていった時代に焦点を当て、当時の人々の思いを鮮明に伝える。

第４室「写真からきこえる音」では「音」を意識させる作品を展示。
そして第５室「うつろい／昭和から平成へ」では1995年の総合開館記念展「写真都市TOKYO」を再現すると共に、当時新世代とされた作家たちの出世作を紹介する。

Akasegawa Genpei, No.7 A record of the wind from the series Apocalypse Thomason, 1988 ©2014 N.Akasegawa

膨大なコレクションから選び抜かれた写真群。
それらを緩やかに束ねる「不易流行」が、芸術に対する向き合い方を指し示す。

TOKYO PHOTOGRAPHIC ART MUSEUM
03-3280-0099

【TOP 30th Anniversary TOP Collection: Continuity and Change】
DATE：6月22日（日）まで開催中
※月曜休館
TIME：10:00am～6:00pm
※木曜、金曜は8:00pmまで
※入館は閉館の30分前まで
PLACE：東京都写真美術館
ADDRESS：東京都目黒区三田1-13-3 恵比寿ガーデンプレイス内
ADMISSION：一般￥700、大学生￥560、高校生・65歳以上￥350
※中学生以下無料
※チケットの詳細は展覧会および美術館のウェブサイトをご確認ください。
WEBSITE：topmuseum.jp/contents/exhibition/index-5069.html